今回のレビューはアマレスオリンピック代表の栄光を引っ提げて新日本プロレスに入団、その後ジャパンプロレスや全日本、SWS、WJ、SPWFなど色々な団体を渡り歩き、先日糖尿病が悪化して右足を切断した谷津嘉章選手著の【さらば闘いの日々】です。
ネタバレになりますのでご承知の上お読みください<(_ _)>
【さらば闘いの日々】の概要
まずは帯等に書いてある概要です。
プロレスは本当に難しかった。”ガチ”だったらどんなに楽か――
新日本、全日本、ジャパン、SWS、WJ……流浪のレスラーが語ったリングの収支決算
「どうして俺はこうなっちまったのか」
●「すぐに切断です」――考える間もなくストレッチャーに乗る
●人生観を変えた1980年「モスクワ五輪ボイコット」の回想
●アマレスエリートが初めて知った「プロレスの仕組み」
●選手としての絶頂期となったジャンボ鶴田との「五輪コンビ」
●長州との確執と史上最悪のスキャンダル団体「WJ」の真実
●問題続きの会社経営と残された3億5000万円の借金
暴露じゃない、聞かれたことに答えてるだけだこの人
この本は糖尿病で右足を切断した話から始まり、糖尿病で右足を切断した話で終わるという谷津選手のレスラー人生を記した書です。
で、正直、谷津選手が本出すって聞いて、確かにPRIDE参戦とかの時の会場人気は凄かったけど、本が売れるほどの人気ってあるのかなと思いました。
でも、読んでみると面白い。
もうね、ほとんど暴露本(笑)
というか、谷津選手がどっかで語ってる事のまとめみたいな本かな。
いや、読んでみて、もちろん谷津選手の都合で書いてるから谷津選手を知る人の印象は違うかもしれないけど、真面目で不器用で損ばかりする人だなと思った。
だから多分、暴露とかそういうのじゃなくて、聞かれたことにただ答えてる、そいういう印象です。
結果相手にしてみれば暴露かもしれないけど(笑)
まあ、暴露の王道、プロレスはドラマであって、ドキュメンタリーじゃない、ガチだったら誰にも負けないと終始言ってるので、もうホントそいうの当たり前にレスラーが言う時代になったなぁ。
特に興味深かったのは2章と3章
本書には以下の目次があります。
第1章 右足切断
第2章 新日本プロレス入団
第3章 ジャパン、全日本、そしてSWS
第4章 モントリオール五輪アマレス代表
第5章 モスクワ五輪ボイコット
第6章 SPWF、アマレス復帰、PRIDE参戦
第7章 “ど真ん中”WJ入団
第8章 義足の人生最終章
で、谷津嘉章ファンならもちろん全編興味あるでしょうが、プロレスファンはどうしても2章と3章に興味を惹かれます。
もうPRIDEのことやWJのことはほぼほぼ出尽くしてるからね(笑)
糖尿病のことやオリンピックのことは読んで貰うとして、2章と3章で興味深かったことをちょっとだけご紹介。
第2章 新日本プロレス入団
1980年10月23日に新日本プロレスに入団。
プロレスはガチだと思っていたからそうじゃないと知ってショックを受けた。
日本では誰も教えてくれなくて、プロレスをドキュメンタリーじゃなくドラマと教えてくれたのはキラー・カーンとヒロ・マツダ。
そしてプロレスの世界を知らない谷津はプロレスの神様カール・ゴッチを変なオッサン呼ばわりをし周りから反感を買ったが、それは悪口ではなくホントに知らないおっさんが混じってると思ったから(笑)
また集合時間のルールを教えなかったり、自分には死ぬほど酒を飲ませたのに自分たちは水を飲んでたなど、陰湿な新日の人間が嫌いだという話諸々。面白い(笑)
因みにデビュー戦のことも書かれていてWikipediaには「ハンセンをスープレックスで投げるなど大器の片鱗を見せたが、ラフファイトに気後れする心の弱さを露呈し、場外で額を割られるなどブッチャー、ハンセンの容赦ない攻撃に良いところなく敗北」とあるんだけど、結局アントンにはめられたというか、アマレス最強よりプロレス界のスーパースターの方が凄いというのをお客さんに見せるように仕立てられたらしい。そしてミスター高橋にえぐる様にぐっさり額を切られたらしい。自分だったらもっとスパッとやってたと書いていました。
第3章 ジャパン、全日本、そしてSWS
誰もが主役で誰もがストーリーを持っている
ですので、谷津選手のファンもプロレスファンも読んでみたらあの時に新日や全日やSWS、あの時のアントンや長州や馬場さんやジャンボはこんなだったんだと知ることが出来てワクワクしますよ。
ただ義足になっても戦い続ける谷津選手の闘志にこちらも元気を貰います。
やっぱりプロレスが合ってなくても自らの肉体を酷使し、プロレスファンに元気を与える谷津選手はプロレスラーです。
あと、自分の体の調子をほっとかずにお医者さんの言うことはちゃんと聞こうと思いました(笑)
コメント
こんばんはー。
今朝、出勤途中に血眼で探した今週の週プロを手に入れることができてホッとしています。改めて冥福を祈りました。
この間、暇つぶしにyoutubeでジャンボ鶴田没後20年を検索していたときに、谷津のyoutubeが見つかりました。しかもお題が「オリャーマン」。義足をはめるとヘンシンでき、往事の逸話を語るシュールな動画でした。
五輪コンビ・・・懐かしいですね。このときが一番楽しかったときなのかも知れませんね。
この土日はしっかり休んで、久しぶりにテニスのクラブチームの練習に出て6月の一斉登校に供えたいと思います。 合掌
>バネリッチさん
花ちゃんを思い出として残したいのと同時にこんな形で表紙を飾るなんてという切なさが込み上げてきます。。。
谷津の義足ネタや糖尿ネタはどう受け入れていいのか分からないです(笑)
本人が言ってるからいいのでしょうが💦
ようやく忙しい日々に戻りそうですのでお体大切にして下さい(*´▽`*)